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「構想で終わらせない」——クオンティアがJiteraとパートナーシップを締結した理由 レガシーシステム・AI開発支援の一気通貫体制へ

「構想で終わらせない」——クオンティアがJiteraとパートナーシップを締結した理由 レガシーシステム・AI開発支援の一気通貫体制へ

レガシーシステムの刷新やAI・DX推進において、「構想は描けても、実行に届かない」という壁に直面している企業は多い。クオンティアのTech Ignitionセクターは、AIを活用したシステム開発支援ツールを提供する株式会社Jiteraと正式なパートナーシップ契約を締結。その背景と、両社が組み合わさることで生まれる価値について、担当メンバーに聞いた。

レガシーシステム・AI/DX推進の現場で感じてきた「実行の壁」

多くの企業が、AI・DX推進の第一歩として概念実証(PoC)に取り組んでいる。しかし「構想は描いたが、システムとして形にする手段がない」「ツールを導入しても、現場に定着しない」——そんな状況に陥っているケースは少なくない。

Tech Ignitionセクターのメンバーは、クライアント支援の現場でこの「実行の壁」を繰り返し目にしてきた。特に深刻なのが、数十年前の古い言語で書かれたレガシーシステムへの対応だ。「誰もコードが読めない」「ドキュメントが残っていない」「改修しようにも有識者がいない」——。技術的な課題というより、知識の属人化と断絶が引き起こす組織的な問題が、DX推進の足かせになっている。

金融機関をはじめとする多くの企業で、いまもアセンブラやCOBOLで書かれたシステムが現役で動き続けている。こうした言語は習得に相当な時間を要する。外部パートナー(BP)や特定の有識者に依存するいわゆる「ベンダーロック」状態に陥っている企業も多く、ツール導入だけでは解決できない構造的な問題がある。

こうした企業に対して、「構想・戦略の設計まではできる。しかし、それを実際にシステムとして動かすための開発基盤やAI開発ソリューションは自社で持っていない」——これが、コンサルティングファームとしてのクオンティアが正直に向き合ってきた限界だった。

なぜJiteraなのか——AI開発支援ツールの強みと、コンサルとの補完性

きっかけは、あるクライアント企業でのPoC

最初の接点は、あるクライアント企業でのプロジェクトだった。そのクライアントはもともとJiteraと接点を持っており、レガシーシステム対応の手段としてJiteraを活用することになった。Tech Ignitionのメンバーが主体となり、約3ヶ月間にわたってPoCを進めた結果、明確な手応えが得られた。

そのプロセスの中で、担当メンバー自身もJiteraを直接試した。アセンブラ言語で書かれたソースコードから設計書を作成するという作業だ。アセンブラの知見がない状態からスタートし、Jiteraを使ってドキュメント化と各コードへのコメント追記を実施。結果として、設計書作成の効率化だけでなく、「そもそもアセンブラに何が書かれているか」という言語理解のスピード自体も向上した。Jiteraがなければ有識者が不在の状態では先に進めなかった、という類の案件だ。

Jiteraとはどんな会社・サービスか

株式会社Jiteraは2017年に設立。2024年にAI開発支援サービスをリリースし、日本・シンガポール・アメリカに拠点を持つ。代表はアメリカと日本を行き来しながら、AI開発の最先端であるアメリカの技術動向を踏まえてサービスを継続的に進化させている。

サービスの主力は「AIコンテキストプラットフォーム」と呼ばれる開発AIエージェントで、既存のコードや業務文脈を理解した上で、設計・実装・テスト・ドキュメント化まで支援する開発支援ツールだ。

クオンティア目線で見た、Jiteraの3つの強み

Tech Ignitionのメンバーが実際に使い込んだ経験から、特に評価している強みは次の3点だ。

① ユーザーの声を迅速に反映するアジャイル開発

Jitera自体がアジャイル開発で構築・運営されている。実際に使っているユーザーからのフィードバックを迅速にプロダクトへ反映する姿勢が強く、優先順位によるものの、軽微なものはすぐに、大きな改修でも1〜2ヶ月のサイクルで対応してくれる。クオンティアが現場で吸い上げたAI活用上の課題やクライアントニーズをJitera側にフィードバックし、プロダクト改善に反映してもらう——そうした関係を育てていくことも、このパートナーシップの狙いの一つだ。

② 複数LLMを状況に応じて使い分けられる

GPT・Gemini・Claudeなど複数のLLMを、タスクや精度要件に応じて自分で選択しながら使える設計になっている。チームプロジェクト単位でのLLM選択も可能で、用途に最適なモデルを柔軟に選べる点が他のAI開発ツールとの差別化につながっている。

③ コンテキストを可視化・チームで共有できる

「AIコンテキストプラットフォーム」というポジションが示す通り、有識者の知見や各社固有のルール・業務知識を「コンテキスト」として登録・可視化し、チーム内で共有できる。何かを生成させる際には、このコンテキスト情報を読み込んだ上でアウトプットするため、有識者でなくても高品質な成果物を出せる仕組みになっている。ベンダーロックやレガシーシステムの有識者依存という課題に対して、本質的なアプローチといえる。

なぜ「パートナーシップ」という形を選んだのか

対話を重ねる中で見えた補完関係

PoCで成果が出たあと、クオンティアとJiteraは週1回の定例を通じて継続的に連携してきた。その対話の中で新たな発見があった。「AI自走化支援」をうたいながらも、クライアントの現場に入り込み、課題を整理し、定着まで伴走する実行力を最大限に発揮するには、コンサルティングに強みを持つ企業との協業が近道であったことだ。

一方でクオンティアは、そうした伴走力・判断力を強みとしている。互いの強みと弱みが補完関係にあることが、対話を重ねる中で明確になっていった。

「協業」ではなく「パートナーシップ」を選んだ理由

担当メンバーはこう整理する。協業は特定のクライアントや個別案件に対して一緒に支援するイメージが強い。一方でパートナーシップは、個別案件にとどまらず、両社の状況や市場ニーズに合わせて、お互いの強みを戦略的に活かしながら継続的に価値提供していく関係だ。

クオンティアが現場で吸い上げた課題をJiteraにフィードバックし、Jiteraがアジャイル開発でプロダクトを改善する。こうした双方向の連携を長期的に育てるためにも、正式なパートナーシップという形を選んだ。

締結後、すぐに効果が表れた

パートナーシップの締結をクライアントに伝えたところ、コンサルティングとAI開発が一体となった支援体制が評価され、継続的な支援につながった。現在も2週間に1回のペースでJiteraと定例を行い、Jitera側からは市場から求められている最新のニーズやそのニーズを満たす新機能のロードマップの共有、クオンティア側からは業界イベントなどでの情報発信の共有など、互いに市場動向を交換しながら連携を続けている。

クオンティアとJiteraのパートナーシップは、コンサルティングの構想力・伴走力とAI開発プラットフォームの実行力を組み合わせることで、AI・DX推進における「構想から実装・定着まで」の一気通貫支援を実現する。

このパートナーシップを知ってほしい企業と、これからの展望

こんな課題を抱える企業へ

このパートナーシップが特に力になれるのは、次のような課題を抱えている企業だ。

  • レガシーシステムからの脱却・モダナイゼーションを進めたい:アセンブラやCOBOLなど古いシステムを抱え、刷新を進めたいが、有識者不足で手が付けられていない
  • ドキュメントが残っていないシステムの改修が控えている:仕様書・設計書がなく、誰もシステムの全容を把握していない状態での改修が必要になっている
  • BPや有識者への依存(ベンダーロック)から抜け出したい:特定の外部パートナーや社内有識者がいなければ動かせないシステム運用から脱却し、組織として自走できる体制を整えたい

これらに共通するのは、「技術的な課題」というよりも「知識・ノウハウが属人化している」という構造的な問題だ。Jiteraのコンテキスト共有機能で有識者の知見を組織全体で使える状態にし、クオンティアがその活用方針を設計・現場に定着させることで、依存体質そのものを変えていくアプローチが可能になる。

Tech Ignitionが担う役割と、今後の展望

Tech Ignitionが掲げる「一気通貫支援」の中で、Jiteraは「構想・要件整理」と「実際の開発・実装・運用改善」の間を埋めるピースとして機能する。クオンティアが「課題を見極め、活用方針を描き、現場に浸透させる役割」を担い、Jiteraが「AI技術によって開発・改善を高速に実行する役割」を担う——この分業によって、これまで構想段階で止まっていた支援が、実装・定着まで届くようになる。

支援メニューとしては、クライアントへの伴走型コンサルティングにJiteraを組み込んだ共同提案が軸となる。さらに先を見据えると、クオンティアが持つ構想力・新規事業開発の力と、JiteraのAI開発力を組み合わせて、新たなプラットフォームを共同で生み出していくことも視野に入っている。

「構想で終わらせない」——AI・DX推進の次の一手を探している方は、まずTech Ignitionへの相談から始めてほしい。

AUTHOR

市村 翔平

市村 翔平

シニアコンサルタント

大学卒業後、大手SIer、ITコンサルを経て現職。SEとして要件定義から開発、運用保守までを一貫して経験するとともに、リーダーとしてマネジメントも経験。その後、ITコンサルタントとして構想策定/IT化計画など上流工程に多く携わる。

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