運ぶ側・運ばせる側・支援する側の経験から実行可能な変革へ導く|PSX 今村友紀

クオンティアのPSX(バリューチェーンセクター)に所属する今村友紀は、物流会社として運ぶ側、荷主として運ばせる側、コンサルタントとして支援する側という3つの立場を経験してきた。
その経験を通じて培った「中庸」という考え方や、プロジェクトを現場で機能する形へと導く推進力について話を聞いた。
ABOUT PSX(バリューチェーンセクター)
製品開発からサプライチェーンまでをEnd-to-Endでつなぎ、バリューチェーン全体の再設計を実行まで支援するセクター。
PSX(バリューチェーンセクター) セクターページへ →目次
PSXセクターで物流変革支援を担当
今村は、クオンティアのPSXセクターで、物流・サプライチェーン領域の変革を支援している。現在は、グローバルシステム導入プロジェクトで、PMOを担当。
今村の特徴は、物流に関わる3つの立場を経験してきたことだ。
- 物流会社として、物を運ぶ側
- 荷主として、物を運ばせる側
- コンサルタントとして、課題解決を支援する側
それぞれの立場には、現場ごとの事情や譲れない部分がある。3つの立場を経験してきたことは、現在の今村の仕事にも活かされている。現場感を持ちながら大きな視点でバランスを取り、クライアントの変革に向き合っている。
物流子会社から荷主まで、現場で積み上げたキャリア
今村のキャリアは、物を運ぶ側から始まった。新卒で物流子会社に入社し、北米向けの輸出貿易実務とシステムオペレーションを担当した。
当時は、輸出だけでも複数のシステムが稼働しており、マスターデータを管理するシステムなど、システム間の連携が複雑に絡み合っていた。入社当初は大変さを感じていたが、後になって、それだけ整ったシステムが構築されていたのだと気づいたという。システムの専門家ではないものの、複数のシステムを連携させながら業務を進める素養を、この時期に身につけた。
その後、国内大手物流会社へ転職。医療向け物流センターの立ち上げに携わり、営業として案件獲得から設計、PMO・PMとしての立ち上げ、運営までを一貫して経験した。物流の実務だけではなく、顧客への提案から実行まで担うことで、物流会社側の事情を幅広く理解していった。
営業として案件を獲得するところから、設計、立ち上げ、運営まで関わったことで、自ら企画したことに結果まで責任を持つ経験を積んだ。このとき培われた「やれることはすべてやる」という姿勢は、現在にもつながる今村の仕事観の原点となっている。
次の転機は、知人の紹介でグローバルに展開するファッションブランドの日本法人へ転職したことだった。ここで今村は、物を運ばせる側である荷主の立場に変わる。グローバルBPRプロジェクトに、ロジスティクス側のリーダー的立場として参画した。販売員がバックオフィス業務の一部から解放され、店頭でお客様により向き合えるようにすることを目的にしてグローバル展開されたプロジェクトだ。
物流は店舗との関わりが限定的になりがちだが、今村はこのプロジェクトを通じて店舗の業務を深く理解し、その実情に合わせて倉庫のオペレーションを見直した。店舗側の業務に合わせて物流側が変わるという発想を得たことで、その後の物流関連の業務が格段に進めやすくなったという。
荷主になって見える景色は、運ぶ側とは異なっていた。現場に直接指示を出せない立場となり、もどかしさを感じる場面も多かった。物流会社にいた頃以上に、現場への配慮や発言の仕方に気を配るようになったという。当時は大手運送会社の労働環境が社会問題として注目され、物流のあり方が見直されるタイミングでもあった。
さらに、事業が急速に拡大するなかで、物流以外の分野で力を発揮するメンバーも増えていった。それぞれの専門性を踏まえて、関わり方を工夫しながら仕事を進める必要があった。運ぶ側にいた頃には見えなかった難しさに向き合うなかで、運ばせる側との両方の事情を理解して初めて見えるものがあると実感していった。
個別改善では届かない、物流の構造的課題
物流会社と荷主の双方で実務を重ねるなか、今村は、どちらか一方の立場で改善を積み重ねるだけでは解決しきれない課題があると感じるようになった。
物流の現場では、上流で決められた条件を前提に対応しなければならない場面も多い。目の前の業務を改善することはできても、その前提となる業務のあり方そのものを見直さなければ、根本的な解決には届かないことがある。物流会社と荷主という異なる立場を経験したことで、今村はそう考えるようになった。
その思いをさらに強めたのが、荷主として既存のやり方を前提とせず、一から業務を見直す改善に取り組んだ経験だった。なかでも今村が面白さを感じていたのが、要件定義や設計といった上流工程だ。店舗に足を運び、現場のメンバーと話しながら必要な条件を整理し、実際の運用を描いていく。現場を知ったうえで、より上流から業務のあり方を考えられることに、大きなやりがいを感じていたという。
こうした経験を経て、今村の関心は、個別の現場改善から、より上流で物流のあり方そのものを見直すことへと広がっていった。その先に選んだのが、コンサルタントというキャリアだった。
運ぶ・運ばせる・支援する側を経験して辿り着いた中庸という考え

物流会社では「運ぶ側」、事業会社では「運ばせる側」、そして現在はコンサルタントとして「支援する側」。3つの立場を経験するなかで、今村が重視してきたのが、「中庸(ちゅうよう)」という考え方だ。
中庸というと、妥協したり、異なる意見の中間を取ったりすることをイメージするかもしれない。しかし今村にとって「中庸」とは、異なる立場の事情や考え方を理解したうえで、その時々で最も適した判断を選ぶことを意味する。現場だけにとらわれず、一段高い視点から全体を見る。
その一方で、理想だけを掲げるのではなく、実際に現場で実行できるかどうかも重視する。こうしたバランス感覚は、異なる3つの立場を経験するなかで培われてきた。
荷主として働いていた前職でも、その姿勢が求められる場面は多かった。販売現場から寄せられる要望には、それぞれの事情や理由がある。一方で、すべてをそのまま実現できるわけではない。今村は、店舗の実情を理解しながら、実現可能性やコストとのバランスを踏まえて判断することを意識していた。
現在、コンサルタントとしてクライアントと向き合う際にも、その考え方は変わらない。クライアントの要望に寄り添いながらも、求められたことをそのまま実現するのではなく、より広い視点から何が必要なのかを考える。こうした「中庸」の考え方は、現在のプロジェクトの進め方にも表れている。
誠実な人柄と互いの強みを活かし合う組織文化への共感
コンサルタントへの転身を考えるなかで、今村は複数のコンサルティングファームを比較検討した。そのなかでクオンティアに魅力を感じた理由の一つが、選考を通じて接したメンバーの人柄だった。
面接では、一つひとつ言葉を選びながら話す姿が印象的だった。その後、座談会で他のメンバーと接した際にも同じ印象を持ち、謙虚で誠実に仕事へ向き合う人が多いと感じた。
さらに共感したのが、個人の実力だけを前面に出すのではなく、互いの強みを活かし合うという考え方だった。物流会社や荷主として、さまざまな専門性を持つ人と協働してきた今村にとって、個人だけで完結するのではなく、それぞれの強みを持ち寄って価値を生み出す考え方は、自身の仕事観とも重なるものだった。
入社後も、選考時に感じた人柄や文化は日々の仕事に表れているという。一方で、組織としてまだ形になっていない部分もあり、自分たちでつくっていけることにも手応えを感じている。
互いの強みを活かし合い、高め合うフラットなチームで挑戦できる環境
クオンティアの採用情報を見る →現場で機能する形に再設計するプロジェクト推進力
今村が現在担当しているのは、グローバルシステム導入プロジェクトのPMO支援だ。プロジェクトの進め方の見直しが求められる局面で途中から参画し、目の前の課題を一つずつ整理しながら、プロジェクトを前へ進めている。
参画後、プロジェクトの状況を把握するなかでは、会議の場で、進め方そのものを大きく作り変える案も検討された。しかし、関係者への影響が大きく、現場の実情にそぐわない可能性があることから、今村はその案をそのまま適用しないと判断した。
理想的な進め方を描けたとしても、それを実行する関係者が動けなければ、プロジェクトは前に進まない。そこで今村は、進め方を大きく作り変えるのではなく、既存の状況を踏まえながら、関係者が実際に動ける形へと進め方を組み直していった。参画当初は調整すべき論点も多かったが、一つずつ整理し、関係者との調整を粘り強く重ねながら前進させている。
今村がクライアントと向き合ううえで重視するのは、相手自身が納得感を持って前へ進めることだ。そこに新たな気づきや驚きを加えることで、より前向きな変化につなげていきたいという。物流会社と荷主の双方で多くの人と協働してきた経験も、現在の関わり方に影響している。理想をそのまま押し通すのでも、現状に合わせるだけでもない。異なる立場や状況を理解したうえで、実際に機能する形を見極める。現在のプロジェクトで今村が実践しているこうした姿勢にも、3つの立場を経験するなかで培ってきた「中庸」の考え方が表れている。
今村はこうした経験を重ねながら、自分なりのコンサルティングスタイルを磨いている。クライアントが納得して前へ進める状態をつくり、その過程で新たな気づきも届けていく。その積み重ねの先に、自身のコンサルティングスタイルを確立しようとしている。
20年以上の物流経験を、新たなサービスの創出へ
現在関わるプロジェクトのなかで、今村が印象に残っているものとして挙げるのが、物流オファリングに関わる新サービスの創出構想だ。クオンティアの協業先である大手ITベンダーと共に、サービスづくりを進めている。
今村は、この構想のなかで重要なポイントに関わっている。サービスの大枠はおおむね出来上がっており、今後は具体的な顧客を選定し、提案しながらブラッシュアップしていく段階にある。一度で完成するものではなく、顧客との対話を重ねて磨き上げていく取り組みだ。
今村は、このプロジェクトを自身の物流キャリアの集大成と言えるものにしていきたいという。自らの価値を示すだけでなく、クオンティアが物流領域でサービスを提供できる会社として認知されていくためにも、重要な取り組みだ。
協業先と作り上げたものを初めて顧客へ提案するフェーズには、難しさもある。一方で、顧客への提案をともに重ねていくことは、協業先との信頼関係をさらに深める機会にもなるという。
専門性を掛け合わせて変革を実現するPSXの強み

今村がクオンティアのPSXセクターで誇りに感じているのは、多様な経歴や個性を持つメンバーが集まり、さまざまな考えが生まれる土壌があることだ。
SCM(サプライチェーンマネジメント)は非常に領域が広く、一人でカバーしきれるものではない。だからこそPSXでは、メンバーそれぞれの専門性を持ち寄る取り組みを進めている。
その一つが、今村が発案したSCMアセスメント(現状を整理して評価する取り組み)だ。作り始めるなかで、今村自身も改めてSCMの奥深さを実感した。他のメンバーはどうなのかと考え、自分たちが持つ知識や経験を整理することにした。事業会社などで培った経験も、体系的に整理して抽象化することで、クライアントとの対話に生かせる形になる。
整理のあとは、他のメンバーより秀でた領域を持つ人が先生役となり、担当領域を割り振っていく。特定の誰かが先生を務めるのではなく、メンバーそれぞれが得意な領域で先生になる形だ。SCMアセスメントやブートキャンプ(集中的に学ぶ場)は、それぞれの専門性をチーム全体の力へと広げていくための取り組みでもある。
取り組みのなかでは、メンバーそれぞれが当たり前だと思っていた知識が、他のメンバーにとっては新しい発見になる場面も多い。今村は、それをおもしろいと感じている。セクター内ではメンバーの発言も増えてきており、専門性を掛け合わせる体制をセクター全体でつくっている。
物流・サプライチェーンの変革を、実行まで支える
PSXでは、多様なバックグラウンドを持つメンバーがそれぞれの専門性を持ち寄り、物流・サプライチェーン領域の変革に取り組んでいる。SCMのように幅広い領域では、一人ですべてを担うのではなく、異なる知識や経験を掛け合わせることが、チームとしての力につながっている。
物流会社、荷主、コンサルタントという3つの立場を経験してきた今村も、その一人だ。異なる立場の事情を理解しながら、その時々で何が必要なのかを考え、構想を現場で実際に機能する形へつなげていく。今村が実践している仕事は、構想だけで終わらず、実行まで変革に向き合うPSXの姿勢にもつながっている。
異なる専門性を持つメンバーとともに、物流・サプライチェーンの変革に挑みたい方は、クオンティアの採用情報を参照してほしい。