経営企画コンサルティングとは?実行支援の内容とAI活用・選び方

「中期経営計画を策定したものの、現場に落とし込めていない」
「経営企画部門の人員が足りず、日々の資料作成に追われて本来の戦略検討に時間を割けない」
こうした悩みから、経営企画コンサルティングの活用を検討し始める企業は多い。
一方で、経営企画コンサルティングという言葉は、支援会社によって指す範囲がまちまちであり、「結局何をどこまでやってくれるのか分かりにくい」という声も少なくない。加えて近年は生成AIの普及により、経営企画業務の一部をAIが代替できるようになった一方、AIだけでは解決できない課題も明らかになってきている。
本記事では、経営企画コンサルティングの定義から、実行が止まる本当の要因、支援会社を見極める具体的な観点までを一貫して解説する。読み終える頃には、自社が抱える課題がどこに起因するのか、そしてどのような支援先を選べばよいのかを、判断できる状態になっているはずだ。
この記事の結論
経営企画コンサルティングとは、中期経営計画の策定だけでなく、策定した戦略の実行・定着まで支援するサービスである。特に次の課題を抱える企業で効果が出やすい。
- 中期経営計画が形骸化している
- 経営企画部門の人手が足りない
- KPI管理が機能していない
- 経営層と現場の認識が噛み合わない
支援会社を選ぶ際は、戦略の提言だけで終わるのか、実行まで伴走するのかを最初に確認したい。
ABOUT STRATEGY EDGE(戦略セクター)
事業戦略の陳腐化や戦略と実行の乖離に向き合う戦略セクター。中長期経営計画から新規事業・M&Aまで構想から実行まで一気通貫で支援し、経営企画コンサルティングも提供する。
Strategy Edge(戦略セクター) セクターページへ →経営企画コンサルティングとは
経営企画コンサルティングとは、企業の中期経営計画や事業戦略の策定から、経営企画部門の組織運営、日々の経営管理業務まで、経営の舵取りに関わる機能を専門的な知見で支援するコンサルティングサービスを指す。
戦略の「絵を描く」ことだけでなく、策定した戦略を現場に落とし込み、実行・運用していく「経営の実務」まで踏み込んで支援する点に特徴がある。中期経営計画の策定支援にとどまらず、経営会議の運営代行、KPIモニタリング体制の構築、新規事業やM&Aといった上流工程まで、扱う領域は幅広い。
一般的な経営戦略コンサルティングとの違い
経営戦略コンサルティングと経営企画コンサルティングは、しばしば混同されるが、業務範囲と企業への関わり方において明確な違いがある。
経営戦略コンサルティングは、市場・競合分析をもとに「どの事業に注力すべきか」「どのような成長戦略を描くべきか」といった方向性を提言することを主眼とする。戦略の骨子や提言資料を完成させ、経営層への報告をもって完了するケースが一般的だ。
一方経営企画コンサルティングは、策定した戦略とその後の経営管理そのものを支援対象とする。中期経営計画の実行状況をモニタリングし、進捗が芳しくない事業のテコ入れを検討し、経営会議や取締役会の運営にも関与するなど、戦略を「絵に描いた餅」で終わらせないための伴走的な役割を担う。
経営戦略コンサルティングでは、戦略立案や経営層への提言を主な役務とする案件がある。一方、経営企画コンサルティングでは、戦略策定後の実行管理、KPIモニタリング、経営会議の運営などを支援範囲に含める場合がある。ただし、具体的な役務範囲は支援会社や契約内容によって異なる。
経営企画コンサルティングが必要な企業の課題
経営企画コンサルティングへのニーズが高まっている背景には、企業規模を問わず経営企画機能が抱える構造的な課題がある。大企業の経営企画部門を対象とした調査から、代表的な3つを取り上げる。
- 経営企画部門が抱える最大の課題は慢性的な人手不足
- 経営層との連携だけが改善していない
- 中期経営計画が形骸化し実行に踏み込めない
あわせて、中小企業における人材確保の実情にも触れながら、企業規模を問わず存在する構造的な課題を整理する。
経営企画部門が抱える最大の課題は慢性的な人手不足
あわせて、中小企業における人材確保の実情にも触れながら、企業規模を問わず存在する構造的な課題を整理する。
Speedaの経営企画白書2026によると、経営企画部門が目下感じている課題の1位は「慢性的な人手不足」(31.9%)、2位は「メンバーのスキル・経験が足りない」(31.6%)だった。ただしいずれも前年より低下しており(人手不足は前年38.7%から6.8ポイント低下)、生成AIの浸透による情報収集工数の削減などを背景に、課題感そのものは緩和傾向にあるとされている。
人手不足に対する課題感が前年より低下している一方、限られた人員をどの業務に配分するかという課題は残る。単純な増員だけでなく、データ集計や会議資料の作成にかかる工数を抑え、事業ポートフォリオ管理や成長戦略の検討へ人員を振り向ける業務設計も重要になる。
経営層とのコミュニケーション不足は横ばい
同じ調査で「経営層とのコミュニケーションが不足している」を挙げた割合は19.4%だった。注目したいのは水準よりも動きである。人手不足や情報収集といった他の課題項目が前年から一様に低下しているなかで、この項目は前年と同じ19.4%で横ばいにとどまっている。生成AIによる省力化が進んでも、経営層との関係だけは改善していないということでもある。
同じ調査で「経営層とのコミュニケーションが不足している」を挙げた割合は19.4%だった。人手不足や情報収集といった他の課題項目が前年から低下するなか、この項目は前年と同じ19.4%で横ばいだった。生成AIの活用が広がる一方で、経営層とのコミュニケーション不足を課題として挙げる割合には変化が見られなかった。同調査に寄せられた現役の経営企画担当者のコメントでも、経営企画の仕事が「3年先の数字を精緻に積み上げること」から「経営環境の変化をどう解釈し、軌道修正するか」へ移り、経営層との不断の対話が中心になってきていることが指摘されている。報告の頻度を増やすだけでは解決せず、経営トップが判断しやすい形に情報を絞り込み、翻訳して届ける機能そのものを設計し直す視点が必要になる。
中期経営計画が形骸化し実行に踏み込めない
中期経営計画を策定すること自体は多くの企業で定着している。同調査によれば「3年で策定し、1年単位でローリング(見直し)する」運用が標準化しつつあり、経営企画部門の実務では中期経営計画や予算管理といったコア業務への回帰傾向が見られる。一方、定期的な見直しを未達要因の分析や具体的な軌道修正につなげられているかは、企業ごとに状況が異なる。中期経営計画を形骸化させないためには、策定頻度だけでなく、実行状況を継続的に確認する仕組みが重要になる。
形骸化するかどうかは、策定プロセスの巧拙以上に、未達要因を分析して次の一手に反映する「振り返りと軌道修正」が機能しているかで決まる。中小企業ではこの振り返りの時間そのものが確保しにくい。経営企画の専任者を置けず経営者自身が兼務していると、経営者の時間が日常の意思決定に奪われ、事業ポートフォリオの見直しや投資判断に充てる余地が残らないためである。中小企業庁の2025年版中小企業白書第2部第1章第4節人材戦略によれば、人材確保が中小企業の重要な経営課題であり、不足感が高止まりしている状況も続いている。
人手不足・連携不足・形骸化の要因を専門家が可視化し、次の一手を明確化
自社の課題を整理してもらう →
前章で挙げた、
- 人員が足りない
- 経営層と噛み合わない
- 中期経営計画が形骸化する
という症状は、一見それぞれ別の問題に見える。しかし要素分解していくと行き着く先は共通している。戦略と現場のあいだで接続が切れているのであって、戦略の中身そのものが間違っていることは実際にはそれほど多くない。
切れている接続は、次の3つに集約される。
- KPIが戦略に接続されていない(KPI整合のズレ)
- 組織の役割・権限が戦略に合わせて再設計されていない(組織設計のズレ)
- 業務プロセスが付加価値創出に向いていない(業務効率のズレ)
この3軸のどこで止まっているかを特定しないまま支援を発注すると、打ち手が症状にしか当たらない。
このズレは、経営層自身にも認識されている。 AchieveItの2025 State of Strategy Executionによれば、68%のリーダーが「自社のチームは組織の戦略的方向性と十分には整合していない」と回答した調査があり、同様の傾向は以前から指摘されてきた。 EIUのWhy good strategies failでも、経営幹部の61%が「戦略の策定と日々の実行のあいだのギャップを埋めるのに苦戦することが多い」と答えた調査もある。
重要なのは、この3つが独立していないことである。KPIツリーだけを作り替えても、権限配置が旧来の組織のままなら数値は動かない。組織を組み替えても、業務プロセスに非付加価値作業が残っていれば、生まれた余力はそこに吸収される。まず現状を診断し、戦略に沿って再設計し、現場に定着させるところまでを分断せずに担えるか——これが支援先を選ぶ基準になる。
なお、3軸のどこで止まっているかは、価値創出プロセスのどの段階で詰まっているかと対応している。戦略・計画・実行・変革・投資の5段階で見ると、KPI整合のズレは「実行」、組織設計と業務効率のズレは「変革」で顕在化しやすい。
KPI整合・組織設計・業務効率のどこで止まっているかを、専門家と一緒に特定
自社の経営企画について相談する →経営企画コンサルティングの支援内容とサービス範囲
経営企画コンサルティングの支援範囲は上流工程から実務レベルまで幅広い。
主な内容は以下の5点である。
- 中期経営計画や事業戦略の策定
- 経営企画部門の立ち上げと組織設計
- 経営企画代行による会議運営など実務支援
- KPIモニタリングと経営管理体制の構築
- 新規事業戦略やM&Aなど上流工程まで踏み込んだ支援
中期経営計画や事業戦略の策定
現状分析や外部環境分析をもとに、中期経営計画や事業戦略の骨子を策定する支援である。財務目標の設定、重点事業領域の選定、KPIツリーの設計を通じて、経営層と現場の双方が納得できる計画づくりを支援する。
経営企画部門の立ち上げと組織設計
経営企画部門が存在しない、あるいは機能が未整備な企業に対して、部門の立ち上げそのものを支援するサービスである。担うべき機能の定義、人員体制の設計、他部門との役割分担の整理を通じて、ゼロから立ち上げる、あるいは形骸化した機能を再設計する。
経営企画代行による会議運営など実務支援
取締役会や経営会議の事務局運営、月次・週次の経営報告資料の作成、議事録管理など、日常的に担う定型実務を専門人材が企業の一員として代行する支援である。資料作成の代行にとどまらず、会議で議論すべき論点を整理し、意思決定を前に進める役割まで担う。
KPIモニタリングと経営管理体制の構築
事業ごと・部門ごとのKPIを設計し、定点観測できる体制を構築する支援である。予実管理の仕組みづくりや経営ダッシュボードの整備を通じて、経営層が事業の状況をタイムリーに把握し、早期に手を打てる状態をつくる。
新規事業戦略やM&Aなど上流工程まで踏み込んだ支援
新規事業の立案や、M&Aにおけるデューデリジェンス(DD)、買収後の統合プロセス(PMI)といった上流工程は、一般的な経営企画の代行支援では対応しきれないことが多く、専門性の高い領域である。
なお、近年はこうした支援内容全体に生成AIの活用が組み込まれる場面が増えている。AIが果たす役割については次章で解説する。
→クオンティアの経営企画支援の詳細はこちら
経営企画コンサルティングにおけるAI活用の重要性
経営企画領域では生成AIの活用が急速に広がり、その巧拙が企業間の差を生み始めている。先に挙げた3軸に照らすと、AIが最も直接的に効果を発揮しやすいのは、情報収集、データ集計、資料作成などを含む業務効率の軸である。非付加価値作業に費やしていたリソースを、KPI設計や組織設計に振り向ける余力をつくることが、経営企画におけるAI活用の出発点になる。
経営企画部門における生成AI利用率は87%超に拡大
Speedaの経営企画白書2026によれば、経営企画部門の生成AI利用率は87.1%に達し、前年の76.9%から10.2ポイント拡大した。業務ツールへのAI組み込みが急速に進んでいる。
全社AI基盤構築による経営情報の一元化
先進的な企業では、社内データやナレッジを一元化した全社AI基盤の構築にも着手している。一例として日清食品グループは「DIGITALIZE YOUR ARMS(デジタルを武装せよ)」を掲げ、独自開発の対話型AI「NISSIN AI-chat」をはじめとする施策で約800業務を対象に年間17万時間の業務工数を削減し、決裁書の申請から承認完了までを約20営業日から約4.4営業日に短縮したと公表している。
個別業務でのAI活用にとどまらず、全社の情報基盤としてAIを位置づける動きは、今後さらに広がっていくと見られる。
もっとも、業務効率の軸がAIで動いたとしても、KPI整合と組織設計のズレはAIだけでは埋まらない。むしろAIによって生まれた余力を、どの軸へ振り向けるかを決める機能が問われる。この点は、一般的な支援では解決しきれない課題として後述する。
経営企画コンサルティング会社の選び方
経営企画コンサルティング会社(経営企画支援会社)を選定する際には、以下の4つの観点を確認しておきたい。
- 戦略策定だけでなく実行支援まで対応しているか
- 自社の規模や課題に合わせた実績があるか
- 財務や人事など経営管理全体を横断して支援できるか
- AI活用の知見と実装力があるか
支援会社によって対応範囲や強みは大きく異なるため、契約前にこれらを一つずつ照らし合わせておくことで、依頼後のミスマッチを防ぎやすくなる。
戦略策定だけでなく実行支援まで対応しているか
提言で契約が終わるのか、実行・定着まで伴走するのかは支援会社によって大きく異なる。役務範囲が「戦略の絵を描くところ」までで区切られている会社は、実行フェーズに入った途端に追加契約が必要になりやすい。
契約前に聞く:「提案書に書いた戦略を、誰がどのように現場へ落とし込むところまで責任を持つのか」
自社の規模や課題に合わせた実績があるか
自社が次のどの成長段階にあるかによって、必要な支援は異なる。
- 役割がまだ曖昧な「立ち上げ段階」
- 中期経営計画は策定できる「機能確立段階」
- 戦略を実行する仕組みづくりに課題がある「推進段階」
- 企業変革や新規事業創出をリードする「事業変革段階」
契約前に聞く:「自社が今どの段階にあり、何がボトルネックかを診断した上で提案してくれるか」
財務や人事など経営管理全体を横断して支援できるか
経営企画の課題は、経営企画部門単体では解決しきれないことが多い。財務・人事に精通した専門チームが社内に控えている体制であれば、経営企画・財務・人事を横断した課題にも対応しやすい。
契約前に聞く:「担当者が財務・人事を兼務でカバーしているだけなのか、専門チームが社内にいるのか」
AI活用の知見と実装力があるか
生成AIの利用が前提となりつつある中、コンサルティング会社自身がAI活用の知見と実装力を備えているかどうかも見逃せない基準だ。
契約前に聞く:「AI導入を提案するだけなのか、モデル構築やシステム実装まで手を動かせる専門チームを社内に持っているのか」
クオンティアの経営企画パートナークオンティアの経営企画パートナーでは、対象課題を診断したうえで支援範囲と実行体制を設計する。担当者の構成や稼働形態は、対象課題、支援範囲、契約内容に応じて個別に設定する。
財務・人事の横断は、Finance & Human Resource Strategy(FHRS)という専門セクターとの連携で担う。AI活用は、テクノロジー専門セクターのTech Ignitionがモデル構築やシステム実装まで担当し、情報の取り扱いはISMS(ISO/IEC 27001:2022)認証の枠組みのもとで行う。
※ISMS(ISO/IEC 27001)とは、情報セキュリティに関する国際規格であり、この認証を取得している組織は、情報の管理体制について第三者機関の審査を受けていることを意味する。
経営企画コンサルティング会社の代表的な種類
経営企画コンサルティングを提供する会社は、支援領域や提供体制の傾向から、以下の4タイプに整理できる。ただし、これは比較のための一般的な整理であり、実際のサービス範囲は各社・各案件によって異なる。
①戦略系ファーム
提言(戦略立案)が中心で、実行フェーズは対応範囲外となるケースも少なくない。得意領域は市場・競合分析に基づく中長期戦略の立案である。
②Big4系ファーム
監査法人グループを母体とし、会計・財務・内部統制の知見に強みを持つ。対応範囲は管理体制の構築が中心で、事業戦略の立案そのものは主眼になりにくい。
③総合系ファーム
戦略からIT・DXまでワンストップで対応できる一方、大規模なプロジェクトチームが組成されやすく、費用感も高くなりやすい。
④経営企画代行特化型(経営企画アウトソーシング)
経営企画部門の実務そのものを専門人材が代行する形態で、経営企画のアウトソーシングや業務委託とも呼ばれる。少人数のチーム編成により、戦略策定から実行支援まで柔軟に対応できることが多い。
依頼先は「提言だけで十分か、実行まで伴走してほしいか」「管理体制の強化が主目的か、事業戦略の立案が主目的か」の2軸で判断するとよい。
- 中期経営計画の策定そのものが目的なら戦略系
- ガバナンスや管理会計の強化ならBig4系
- DXや業務改革も含む全社変革なら総合系
- 経営企画機能の不足や実行支援まで求めるなら経営企画代行特化型
なお、この4分類は一般的な傾向の整理であり、実際には複数の型にまたがる会社もある。
たとえばクオンティアの経営企画パートナーは、戦略・業務・IT・DXを扱う総合系の専門セクターを社内に持ちながら、提供形態は経営企画部門の実務代行に寄せている。全社変革の規模に耐える専門チームを代行型の体制と料金で使える点で、「総合系ファーム」と「経営企画代行特化型」の中間にあたる。課題が全社変革にまたがる場合は、4分類のラベルではなく、実際に動く専門チームが社内にいるかどうかで判断したい。
経営企画コンサルティングの依頼費用の相場
費用は要見積もり型が中心で、契約形態によって金額感が大きく変わる。押さえておきたいポイントは次の2点である。
- 料金体系は見積もり型が中心
- 契約形態は一定期間のプロジェクト型や継続伴走型がある
契約形態によって向いているケースが異なるため、自社がどちらを求めているかを踏まえて比較検討することが望ましい。
料金体系は見積もり型が中心
費用は、課題の範囲、支援期間、アサイン人数、稼働形態、システム実装の有無によって大きく異なる。公開料金を設けず、個別見積もりとしている支援会社もあるため、金額だけでなく稼働条件や成果物を揃えて比較することが重要である。
契約形態は一定期間のプロジェクト型や継続伴走型がある
契約形態は、大きく分けて「プロジェクト型」と「継続伴走型」の2つがある。プロジェクト型は、中期経営計画の策定支援など、単発のテーマに対して一定期間で成果物を仕上げる契約形態であり、比較的広く採用されている。
一方、プロジェクト型で策定した戦略を実際に実行・定着させていくには、継続的に伴走する体制が求められる場面が多い。単発の戦略策定で終わらせず、その後の実行フェーズまで見据えるのであれば、継続伴走型の契約を選択肢に入れておきたい。
費用は、主に次の4つの要素によって変動する。
- 支援期間の長さ
- アサインされるコンサルタントの人数
- 常駐か非常駐か
- AI活用や独自ツールの実装を伴うかどうか
同じ「経営企画代行」という括りでも、これらの条件によって金額感は大きく異なる。見積もりを比較する際は、条件をできるだけ揃えて検討することが望ましい。料金体系や契約単位は支援会社によって異なる。クオンティアの具体的な支援体制、契約期間、料金については、対象課題と必要な稼働内容を整理したうえで個別に案内する。
- 支援期間の長さ
- アサインされるコンサルタントの人数
- 常駐か非常駐か
- AI活用や独自ツールの実装を伴うかどうか
経営企画コンサルティング依頼時に失敗しやすい注意点
経営企画コンサル各社に依頼する際には、代表的な次の3つの失敗パターンを事前に押さえておきたい。
- 人材シェアのみで社内にノウハウが残らない
- 戦略立案と実行支援の担当が分断される
- 業務範囲が不明確なまま契約し追加費用が発生する
- 課題が特定でき社内に実行主体がいるなら、経営企画の内製のほうが速い
いずれも契約前の確認である程度は防げる注意点であり、依頼先との商談の中で具体的に擦り合わせておくことが望ましい。
人材シェア型の経営企画代行では社内にノウハウが残らない
人材をシェアするだけの代行では、支援期間中は業務が回るものの、契約終了後に社内へノウハウが残らず、再び同じ課題に直面する。支援を通じて自社に何を残せるのかを契約前に確認しておきたい。
戦略立案と実行支援の担当が分断される
戦略立案と実行支援を別々の会社(あるいはチーム)が担う場合、両者の連携が取れず、策定した戦略の意図が実行フェーズで正しく引き継がれない。一貫した体制で支援できるかは、依頼前に確認すべき重要な点である。
業務範囲が不明確なまま契約し追加費用が発生する
支援範囲を明確に定義しないまま進めると、「これも対応してもらえると思っていた」という認識のズレが生じ、後から追加費用が発生する。どこまでが支援範囲かを契約前に具体的に擦り合わせておきたい。
外部支援より内製が適しているケース
支援会社を探す前に確認したいのは、外部の専門家を入れることが本当に最短かという点である。課題が既に特定でき、社内に実行を担える人員と権限が揃っているなら、外部支援を入れるための説明・立ち上げ期間と費用が、そのまま遅れと追加コストになる。
外部支援が効くのは、
- 現状の診断そのものができていない
- 診断はできているが実行を担う主体が社内にいない
- 部門横断の調整に第三者の立場が必要
のいずれかの場合である。どれにも当てはまらないなら、まずは社内で着手したほうがよい。
一般的な支援内容では解決できない経営企画の課題
AIの導入や単機能の支援だけでは越えられない、構造的な課題が残っている。主に下記の3点である。
- 生成AI単体では意思決定の質を担保できない
- 財務部門との壁を越えた経営管理変革が必要
- 戦略策定と実行を一気通貫で担う伴走体制へのシフト
これらはいずれも、単一の施策や部分的な支援だけでは解消しきれず、経営企画・財務・人事を横断した継続的な体制が求められる領域である。
生成AI単体では意思決定の質を担保できない
Speedaの経営企画白書2026では、生成AIの利用が広がる一方で、その出力が意思決定の局面で「ほぼそのまま使える」と答えた割合は13.0%にとどまり、前年の21.9%から8.9ポイント低下した。利用が広がるなかで、そのまま経営判断に使えると考える層はむしろ減っている。活用上の課題として最も多いのは「セキュリティ面での懸念」(39.8%)、次が「情報の正確性や信頼性が確認できない」(39.4%)だった。
意思決定の質を担保するには、AIが出す情報の精度を検証し、経営の文脈に即して解釈する専門人材の目が依然として欠かせない。
財務部門との壁を越えた経営管理変革が必要
経営企画単体の支援では、財務・人事部門との組織的な壁を越えられないという課題もある。
株式会社ログラスのFP&A実態調査2025によると、日本企業では「本社レベルと事業部(子会社)レベルの間の壁」と「本社経営企画部門と本社経理・財務部門の間の壁」という2つの壁が、FP&A(経営管理の高度化)組織の導入を難しくしていると指摘されている。
経営企画部門だけを強化しても、財務部門との情報連携が取れていなければ経営管理全体の高度化にはつながらない。KPIを評価制度や人材配置に接続する段階では人事部門との連携も避けられず、実際には経営企画・財務・人事を横断した変革が求められる。
戦略策定と実行を一気通貫で担う伴走体制へのシフト
AI単体では意思決定の質を担保できず、部門の壁は経営管理の高度化を阻む。この2つが重なるところで、先に示したKPI整合・組織設計・業務効率のズレは固定化する。ツールを導入しても戦略実行が進まないのは、次の3つを担う主体が別々に切り出されているためである。
- ズレを診断する主体
- 戦略に沿って再設計する主体
- 現場に定着させる主体
戦略立案と実行支援の担当が分断された従来型のモデルでは、この構造に対応しきれない。診断・再設計・定着までを分断せずに担う伴走体制へのニーズは、今後さらに高まると考えられる。
経営企画コンサルティングでお悩みならクオンティアへ
KPI整合・組織設計・業務効率という3つの軸のズレに心当たりがある企業には、クオンティアStrategy Edgeの経営企画パートナーを選択肢の一つとして検討いただきたい。
まず3軸のズレを現場データで診断し、戦略に沿った形へ再設計した上で、現場に定着させて実績を出すところまでを「診断→再設計→実行・定着」で継続して伴走する。加えて、各CxOの支援をミッションとする財務・人事戦略の専門セクターとの連携により、経営企画単体では解決しきれない財務×人事の横断課題にも対応する。AIについても、業務ツールの導入にとどまらず、経営判断の精度向上につながる実装まで踏み込んだ支援を行っている。
戦略策定から実行支援、AI活用まで一貫して相談できるパートナーを探している企業は、オンライン相談で「自社の戦略がどこで止まっているか」を整理するところから始められる。相談条件、契約期間、料金は、対象課題と支援範囲に応じて個別に確認できる。
自社の戦略がどこで止まっているかを整理する
30分のオンライン相談を予約する →経営企画コンサルティングの支援事例
クオンティアの経営企画パートナーでは、経営課題に応じて関連領域の専門性を組み合わせて支援する。ここでは、代表的な支援の実践例を3つ紹介する。
トップダウン設計と大規模な現場ヒアリングを両立
数百名規模の現場ヒアリングを個別に対応するコストの重さから、ヒアリングは構想・設計段階ではなく実行フェーズに入ってから実施されることが多く、現場の実態が上流の設計に反映されにくいという構造的な限界があった。
この事例では、
- トップダウンの設計方針とヒアリング設問を同時に設計
- AIヒアリングツールで数千名規模への一斉ヒアリングを実施
- データを統合して組織のTo-Be像と定量試算を策定
という3フェーズを採用した。AIヒアリングを活用することで、トップダウン設計と大規模な現場検証を並行して進められる体制を構築し、現場データを根拠とした改善余地の試算を上流段階から経営に提示できるようにした。詳細は「トップダウン設計と現場ヒアリングの両立を扱った事例記事」で紹介している。
AIヒアリング×組織再編、戦略実行まで担う「経営企画パートナー」
先に触れたとおり、経営幹部の61%が戦略の策定と実行の間の「ギャップ」に苦戦していると回答した調査もある。KPI整合・組織設計・業務効率の3軸がばらばらに動くことで、経営の意図と現場の実態が噛み合わなくなる構造的な課題が生じる。
この事例では、AIヒアリングと経営企画パートナーを組み合わせ、
- 現状を可視化する診断
- KPI・組織・業務の3軸を統合的に設計し直す再設計
- 戦略を現場に落とし込む実行・定着
という3フェーズの枠組みを構築した。単発の組織再編提案で終わらせず、戦略実行まで責任を持つ支援のあり方を示している。設計思想はAIヒアリング×組織再編の事例記事にまとめている。
形骸化しやすい新規事業のパイプライン管理を、運用できるゲートシステムへ
新規事業開発のパイプライン管理・評価の仕組みは、形骸化や属人化で機能しなくなることが多い。この事例では中期経営計画を起点に、実際にオペレーションできるゲートシステムとして設計し、その企業が自ら運用できる形で導入まで担った。IT・物流をはじめ複数の業界で実績がある。
ここで挙げた以外の支援事例についても、業界・テーマ別にクオンティアの導入事例ページで公開している。
経営企画コンサルティングに関するよくある質問
ここまで経営企画コンサルティングの支援内容や費用相場、選び方を解説してきたが、実際に検討を進める段階では、より具体的な疑問が生じることも多い。
ここでは、企業から寄せられることの多い質問をまとめて紹介する。
グループ経営や複数事業部を持つ大企業でも対応できますか
対応可能である。事業部ごとの個別最適と全社最適のバランスを取ることが課題になりやすいため、まず現状の経営管理体制や課題感をヒアリングした上で、支援範囲や進め方を個別に設計する。
経営企画部門がまだない企業でも依頼できますか
依頼可能である。部門の立ち上げ支援から対応する。どのような機能を持たせるべきか、どの業務から着手すべきかを整理しながら、段階的に体制を構築していく。
伴走支援の契約期間はどのように設定し、支援終了後は自走できますか
契約期間は、課題の規模や社内体制の成熟度に応じて個別に設定する。支援終了後に自社だけで運用できる状態を目指し、期間中に業務プロセスやノウハウを社内へ移管することを前提に進める。
経営企画のアウトソーシングは、どの段階から始められますか
診断・再設計・実行定着のどの段階からでも着手できる。課題が特定できていなければ診断から、課題は見えていて実行の担い手がいなければ実行・定着から、必要な範囲だけを切り出して依頼することも可能である。
AIヒアリングに現場の抵抗はありませんか
特定の部門や役職だけを対象にせず、全員の実態を等しく見る設計にしているため、「評価のための調査ではない」という前提を共有しやすい。結果を組織のTo-Be像や改善余地の試算として還元することで、協力が現場の負荷軽減につながる構造にしている。
支援の効果を数値で約束してもらえますか
着手前に過大な定量約束はしない。まず診断で現場データを集め、削減余地や改善余地を定量試算した上で、追う目標値を合意する。数値の根拠を先に示し、その上で目標を置く順番である。
まとめ
経営企画コンサルティングは、中期経営計画の策定にとどまらず、組織設計、実務代行、KPIモニタリング、新規事業・M&Aといった上流工程まで支援するサービスである。一般的な経営戦略コンサルティングとの違いは、提言だけでなく実行・定着まで踏み込む点にある。
実行が滞る背景にはKPI整合・組織設計・業務効率という3軸のズレが潜んでいることが多く、これを診断・再設計・実行定着まで通しで扱えるかが支援の質を左右する。生成AIの活用が広がる一方、AI単体では意思決定の質を担保しきれないことも明らかになりつつある。
支援会社を選ぶ際は、
- 実行支援まで対応できるか
- 自社の規模・課題に合った実績があるか
- 財務や人事を横断できるか
- AI活用の実装力があるか
を確認したい。
系統は戦略系・Big4系・総合系・経営企画代行特化型に大別でき、費用は見積もり型が中心で、プロジェクト型と継続伴走型のどちらが目的に合うかの見極めが要る。
- 人材シェアのみでノウハウが残らない
- 戦略立案と実行の担当が分断される
- 業務範囲が不明確なまま追加費用が発生する
といった失敗パターンにも注意したい。一方、課題が特定でき、社内に実行主体が揃っている場合は、外部支援を利用せずに内製で進めるほうが適していることもある。
戦略策定から実行・定着まで途切れずに伴走できるパートナーを見極めることが、経営企画コンサルティングを効果的に活用する鍵となる。