AI×コンサルティングで企業課題の解決はどう変わるか―― トップダウン設計と現場ヒアリングの「両立不可能」を覆した実践例

コンサルティングにAIを組み合わせることで、これまで難しいとされてきた企業課題の解決アプローチが変わりはじめている。クオンティアのStrategy Edgeが実践してきたAI活用の取り組みと、組織再編における具体的な実践例をもとに、そのメカニズムと効果を公開する。
コンサルティングには、これまで「時間とコストの壁」で届かなかった課題がある
企業課題の解決において、コンサルティングの本質的な価値は、課題を構造的に捉えて設計し、実行まで伴走することにある。しかし現実には、並行して進めるべきとわかっていても、他の優先事項との兼ね合いで後回しにされてきた打ち手が少なくない。
特に顕著なのが、現場の実態把握と構想設計を同時に進めなければならない局面だ。数百名規模のヒアリングはコンサルタントが個別対応するコストが重く、実行フェーズに入ってからまとめて対応されることが多い。結果として、構想・設計フェーズに現場の実態を組み込む機会は後回しになりやすい。AIの登場は、この順序を変える可能性を持つ。
なかでも「組織再編」は、AIで最も変化が大きい領域のひとつだった

組織再編プロジェクトでは、限られた期間の中で、トップダウンの組織設計とボトムアップの現場実態把握を同時に進める必要がある。しかし従来は、この二つを「同一期間・同一コスト」で両立することが構造的に難しかった。
従来型が抱えていた限界は三つある。
- 数百名規模の現場ヒアリングはコンサルタントが個別対応するコストが重く、実行フェーズに入ってからまとめて実施されることが大半である
- その結果として現場の実態は構想・設計フェーズには反映されず、現場管理者を巻き込んだ納得感のある設計がしづらい
- 業務分掌と現場実態のずれ、業務・機能役割や責任所在の重複、曖昧さ等は上流フェーズでは可視化が難しく、設計に組み込まれないでいる
これをブレークスルーしたのが、上流フェーズでのAIヒアリングの活用だ。AIが数百〜数千名に対して均質・高速にヒアリングを実施することで、「同一期間・同一コストでの両立」が現実のものになり、現場の実態を設計に組み込めるようになった。
業務分掌の実態ずれ・役割の重複・業務効率の問題を構想段階から把握できるため、現場管理者の納得感を得やすい組織To-Beを策定できる。さらに、現場の声を根拠にした試算を上流時点から経営の意思決定材料として提示できる。設計の確からしさと現場の納得感が、従来より早い段階から手元に揃う。これらの変化は、組織再編に限らず、大規模な情報収集が必要なあらゆるプロジェクトに応用できる可能性を持つ。
貴社の変革に向けた最適なアプローチをご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら →クオンティアがAstermindsと組み、体系化したアプローチ
クオンティアは、AIヒアリング・エージェント「InTake」を開発するAsterminds株式会社と戦略的協業のもと、「AIヒアリング型 組織再編コンサルティング・オファリングサービス」を体系化した。クオンティアの経営戦略における組織設計・戦略的人事コンサルティングの専門知見と、Astermindsの数千名規模のヒアリング実績(特許出願済:特願2025-166265)を組み合わせることで、「両立不可能」を解決する独自メソッドを構築している。
プロジェクトは3フェーズで構成される。Phase 1(設計フェーズ)では、クオンティアがトップダウンの再編方針とヒアリング設問を同時に設計する。設問設計の質がデータ品質を決定づける最重要ステップだ。Phase 2(実行フェーズ)では、AstermindsのInTakeが大規模組織の全員にAIヒアリングを一斉実施し、数千名規模でも均質・高速なデータ取得を実現する。Phase 3(分析・策定フェーズ)では、クオンティアが経営戦略・戦略的人事コンサルティングの知見をもとに各種データとAIヒアリング結果を統合し、組織To-Be像を策定。改善余地・省人化余地・内部経費削減余地の定量試算まで一貫して実施する。
Phase 3の示唆は二つの形で活用できる。一つは業務分掌の実態・役割の重複・業務効率の問題を組織設計に反映し、現場から納得感を得やすいTo-Beを策定すること。もう一つは「なぜこの設計か」を初期段階から現場データで示す合意形成用エビデンスとしての活用で、従来は設計後に別途必要だった合意形成フェーズを設計と並行して前倒しできる。
本オファリングは特に
- ERP導入前後
- 中計スタート時
- M&A後PMI
という3タイミングで高い効果を発揮する。
大手各社での実績が示す、タイパ・コスパの現実
すでに大規模組織での導入実績を持つ本オファリングは、三つの効果をもたらしている。
第一に、ヒアリング示唆が設計の納得感と合意形成の質を変える。
業務分掌の実態ずれ・役割の重複・業務効率の問題を上流フェーズから把握できるため、現場管理者を巻き込んだ納得感ある組織設計が可能になる。「なぜこの設計か」を初期からデータで示せることで、現場との合意形成コストも大幅に下がる。
第二に、現場実態を踏まえた試算を上流から経営判断に使える。
改善余地・省人化余地・内部経費削減余地の試算を、現場の声という根拠とともに上流時点で経営層に届けられる。現場の声を根拠に持てることが経営判断の質を上げる。
第三に、実行支援・定着フォローに稼働余力を充当できる。
AIで解放されたコンサルタントの稼働を実行推進・定着フォローに投下でき、変革が現場に根付くまで関与し続けられる。
本オファリングを支えるのは、 Astermindsが積み上げてきた技術・実績に裏打ちされている。
- 数千名規模の導入実績 ── 大手大企業を中心とした大規模なヒアリングを安定運用してきた実績が、プロジェクトのリスクを最小化する
- 特許出願済の独自技術(特願2025-166265) ── 専門家が行う構造的ヒアリングをアルゴリズム化した独自技術により、回答者が異なっても粒度の揃った深掘りを全数で実現する
- シードラウンド1.1億円の資金調達 ── DNX Ventures、デライトベンチャーズ(DeNA CVC)等の著名VCのお墨付き
- Vercel AI Accelerator 2025 日本唯一の選出 ── 世界中から選抜されるグローバルAIアクセラレータに日本企業として唯一採択され、技術力がグローバル基準で評価されている
という実績だ。
クオンティア側もIBM・アクセンチュア・大手金融出身のコンサルタントによる130社以上のコスト削減実績を持つ。両社の専門性が組み合わさることで、大手ファームにはないスピード・コスト・実効性の三立を実現している。
同一期間・同一コストで、設計の納得感と経営判断の確からしさが上がる。これが、AI×コンサルティングが組織再編にもたらした現実だ。
このオファリングは、組織変革の「入口」にすぎない

本オファリングで組織To-Beを策定・実装した後も、クオンティアの支援は続く。Strategy Edgeの「経営企画代行サービス」と連携することで、変革の「定着・運用・継続改善」まで一気通貫の体制を構築できる。
支援の流れは、
- 本オファリングによる組織To-Be策定・定量試算
- AIで生まれた稼働余力を活用した実装・定着支援
- 月次リテナーによる組織・KPI・中計実行の継続モニタリング
の3ステップだ。
本シリーズの次回(#2)は、InTakeを開発したAsterminds代表・本多真二郎氏へのインタビューを公開予定だ。
数千名規模の実績と特許が証明する「AIが現場の声を取りに行く仕組み」を、開発者自身の言葉で語ってもらう。
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Strategy Edge(戦略セクター)
クオンティアのStrategy Edgeは、IBM・アクセンチュア・大手金融・シンクタンク出身者を含む専門家集団が、組織設計・業務改善・機能戦略・変革実行に一貫して関与する戦略セクターです。大手コンサルにとどまらず起業経験などを持つ多様なキャリアのエキスパートが、戦略構想から実行・定着まで担当します。
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AUTHOR
塚本 貴映
CSO

カナダの名門大学卒業後、IT企業、コンサルティングファーム、外資製薬メーカーを経て現職。戦略コンサルタントとして大企業からスタートアップまで幅広い事業開発を推進し、構想策定から開発・ローンチまで一気通貫で支援。多業界・多国籍プロジェクトのPM経験を活かし、経営課題の解決と新たな価値創出に強みを持つ。